2012年06月03日

朝日新聞「悩みのるつぼ」より


朝日新聞(2012.5.26)で、19才の女子学生からこのような問いかけがありました。

契約は契約。
配偶者とうまくいっていなかったり、疲れたりして違う相手で気分転換したいことがあっても、一つの関係を清算してから次にとりかかるのが、恋愛のみならず人間関係のルールではないでしょうか。(略)
踏み越えてはならない一線を引く努力から、今の人間は逃避していませんか。(略)
『婚外恋愛』に肯定的な意見を持っていらっしゃる方に回答をお願いします。」

こちらをクリック


これを読んだ相棒が一言。
「股の間にコルク詰めてるような人やなぁ」(^^;

たしかに未開封というか、未使用感がものすごくしますね(笑)。
おそらくこの方は、品行方正な学校と家庭に守られた、育ちのいいお嬢様じゃないかな?
だけど、本気で男性に惚れたら180度変わってしまいそうな質問です。


この回答者に選ばれたのは、ジェンダー論や女性学を研究している上野千鶴子さん。
↓回答文の冒頭部分がおもしろい!

「『婚外恋愛に肯定的な意見を持っている』と思われたらしい上野に、ご質問がまわってきました。
 若々しい怒りと潔癖さが伝わります。」
「近代社会において結婚は成人した市民同士の契約
「相互の扶養義務のほかにセックスを契約者以外としないという項目が含まれています。」
なぜかというと、
「契約外の第三者とセックスしたら契約破棄(離婚)の理由になる、そして相手に損害賠償を請求できるという法的根拠がある」からです。


この場合、罰則規定がある=してはいけないことという解釈ですね。
上野千鶴子さんは以下のようにご自身で定義されています。

結婚とは、
「たった一人の男性に排他的かつ独占的に自分の身体を性的に使用する権利を生涯に渡って譲渡すること」
と述べながら、
「少なくともわたしは、こういう契約はおそろしくて結べません。」としています。
そしてこのように締めくくります。

「そもそもセックスの相手をおクニに登録して契約を結ぶ必要なんてない、と思いませんか?
 そうすれば『婚外恋愛』も『不倫』もなくなります。
 登録は親子関係だけでじゅうぶん。
 これがあなたの問いに対する根本的な解決です。」



以上、ジェンダー論研究者はここまで徹底してるのか!と思わせる回答でした。
実は私もこの質問者のように、「一つの関係を清算してから次にとりかかるのがルール」と思うほうです。

とある利用者(70代・女性)から聞いた話では、
「両親に反対されて本命の恋人と結婚できなかった」と、旦那さんがよくこぼしてたそうです。
そればかりか車の運転中、指を差して奥さんに、「ここがあの人の住んでる家だよ」なんて浸ってる。
失礼にもほどがあります。
「じゃあ私と結婚するなよ!!」
「元カノを清算してから顔洗って出なおして来い!!」
といえなかったところに、結婚制度の弊害があったのでしょう。
ひと昔前までは、女ひとりで子供を抱えて、簡単に生きていける社会ではありませんでしたから。


そしてこの質問者がいうように、「婚外恋愛」の言葉には私も引っかかってしまいます。
断片的な記憶でしかないのですが、昔、松田聖子がテレビのインタビューでこんなふうに答えていました。

「結婚もしましたし、恋愛もしましたし・・・」

まだ(1度目の)離婚をする前だったので、
これを神田正輝が聞いたらどう思うだろう?と、私は余計なことを考えてしまいました。
というのも、その前にジェフ君との不倫騒動があったからです。
ジェフ君によって松田聖子の暴露本「真実の愛」が出版され、
記者からイジワルな質問をされた神田正輝の返答がとても印象的でした。

「(聖子の不倫相手が)『真実の愛』といっていますが?」

「相手を陥れることが、はたして真実の愛といえるのでしょうか!?」

あの世代の男性なら、騒動が起きた時点で離縁してもおかしくないのに、神田正輝のコメントは結果的に妻をかばうものとなっています。
夫のメンツをつぶすような質問にも関わらず。
たとえ不倫が事実であってもそうでなくても、なかなかできないことです。

だけどそれを聖子側が、さも充実した人生のように「恋愛もしましたし」と話していたら・・・。
もし私が夫なら、口も聞かなくなるほど一気に冷めますね。
お互いに納得してるなら話は別ですが、
パートナーに与えたダメージ(妻のスキャンダルの尻拭い/記者会見を夫にさせた)を考えると、
たしかに「(婚外)恋愛」と軽々しく発言するのはちょっと無神経な気がします。


ちなみに「ゴルゴ13」で知られる劇画家のさいとうたかをさんは、法律をちょっと違った解釈でとらえています。

その昔、さいとうたかをさんは大変な「ごんたくれ(悪ガキ)」だったそうです。
白紙で出したテストの答案用紙に、恩師から注意された言葉は、「名前は書け」
こちらをクリック

「おまえの言い分はわかった。 ただし、名前は書け。
 白紙で出すという責任をおまえがとらなくちゃいけない。
 それは大人も子どもも同じだぞ。
 おまえみたいな生き方をしていると、常に後ろを気にしていなくちゃいけないぞ。
 ルールは従うものじゃない。 守るものだ 」



ガンとばす悪童に、ずいぶん肝の据わった先生ですね。(^^)
この出来事から、「俺の後ろに立つな!」の名セリフが生まれたのでしょうか?
その後、さいとうたかをさんの意識はガラリとかわります。

「あっ、人間社会というのはそんなものかと。
 六法全書を見ても『人を殺してはいけない』とは書いてありません。
 『人を殺したらこんな目に遭わせますよ』と書いているのであって、つまり善とか悪は約束事なんですね。
 その約束事からはみ出すなら、自分のなかに基準を持たなきゃいけないということがわかったんです」


さいとうたかをさんの場合は、「自分の基準(法律)をつくればいい」という解釈です。
では、どのようにその「基準」を守っているのでしょうか?
興味深いのは、藤子・不二夫Aによる証言。
こちらをクリック

「銀座なんかで飲んでも、僕の場合は飲んじゃうと締め切りがあろうが何があろうが朝までってことになっちゃうんだけども、その点、さいとう氏は潔いというか、ここまでという感じでぱっといなくなる。
 お酒で乱れたなんて姿を見たことは一度たりともない。
 何十年と一緒に飲んでますけど、それは今でも変わらないね。
 自分をきちんと律しているところは、とにかくかっこいいんですよ。
 まさに、ゴルゴ13そのまんまという感じがします。」


これはカッコいいですね!(笑)
酒を飲んでも飲まれない!!
それこそゴルゴ13!!
「自分のなかに基準を持った」さいとうたかをさんによって、あのゴルゴ13が生まれます。

「デューク東郷(ゴルゴ13)の場合も、善と悪の基準は自分のなかにあり、他者の善悪の観念とは関係がない。(略)
  そういう人間は現実の社会では生きられません。
  はみ出し者でも生きられたらいいなという感覚で、わたしは『ゴルゴ13』を描いたんでしょうね。」


上野千鶴子さんのように、結婚制度に疑問を持って生涯独身を貫く人も、
さいとうたかをさんのように、自分なりの基準を持って作品を生みだす人も、一般的な生き方とは言いがたいものでしょう。
そういう意味で両者共「はみ出し者」
方法こそ違いますが、それぞれに自分の生き方を貫いています。

上野千鶴子さんは結婚制度についてこのように答えます。

その都度配偶者に許可を得たり、報告しなくちゃいけない?・・・
 許す許さないと、他人の感情や欲望を統制できると思えるなんて、なんと不自由な契約でしょうねぇ。」


私としては、契約を守れるかどうかがポイントではなく、結婚に至るまでのお互いの気持ちとか、関係づくりのほうが大事じゃないかな?と思います。
「浮気しない」といってもする人だっていますし、「この人なら大丈夫だろう」と安心してたら大間違い・・・なんてこともありえます。

仕事の契約だって局面によってすぐ変わってしまうし、面接で説明された内容以外の業務が入ってくるのは当たり前。
場数を踏めば、面接の段階で「あきらかにこれはいただけない」という職場がわかってきますから、自分の目を養うことにもなります。

その都度話し合っていたり、お互いに譲れるところは譲り合ったり、自分の見る目を養ったりしていたら、二人に合った決まりごとをつくっていくことができます。
結婚制度(法律)のすべてを拠り所にしなくても、そのほうが柔軟で個別性があって、しっくりきますよ?

「契約違反を認めない!」が真っ先にくる結婚なら、まず契約内容を死守する配偶者を見つけることですよね。
利害関係のしわよせが頻繁にあると、法律で守ってもらいたくなるものですが、法律云々の前に、自分達で守っていこうとする姿勢があるかどうかが大事だと思います。
結婚がきまるとゼクシィ読んだり、誰を呼ぶとか何を着るとか、手続き上の話し合いと祝福ムードで分かり合えた気分になれます。
そうした契約の為の話し合いじゃなくて、相互理解を深めるためのコミュニケーションができていますか?


結婚制度のみならず、守れてない法律のほうが圧倒的に多いもの。
それを「許せない」というのなら、この質問者もある意味「はみだし者」ですね!(笑)


posted by 亀有夕子 at 02:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 見聞録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕の記憶が正しければ、確か松田聖子と神田正輝の結婚は偽装結婚だった、という話しを当時聞いた覚えがあります。

そう考えると、この一連の神田正輝発言、松田聖子発言はさもありなん、じゃないですか?

でも、芸能人の結婚なんて意味不明なとこが多すぎますよね。
Posted by M宅 at 2012年06月03日 17:30

「恋愛もしましたし」発言は、
マドンナを意識していた当時の「松田聖子」としては花マル回答で、
この心臓の強さが「スキャンダルに強い松田聖子」をつくりあげたのだと思います。
けれど「神田法子」としては・・・疑問が謎が残りますね。

巷では、元ファンなら「ありえない」と首を振りたくなるようなガセネタが蔓延していて、
「聖子は石原裕次郎の愛人でそれを隠すために神田正輝と結婚した」とか、
「岡田有希子は神田正輝を聖子にとられて自殺した」とか、そういうのは私は信じてないんです。

それでも離婚に至る前の5,6年間は、偽装結婚とうか、仮面夫婦だったろうな〜と思います。
「仲良し夫婦、娘の運動会に参加する」のワイドショーネタで、神田正輝の表情がこわばってましたから。
Posted by 亀有夕子 at 2012年06月04日 11:12
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