2010年05月28日

阿部潤「パパがも一度恋をした」


パパがも一度恋をした 1 (ビッグコミックス)

パパがも一度恋をした 1 (ビッグコミックス)

  • 作者: 阿部 潤
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/01/29
  • メディア: コミック




吹きだすくらいおかしくて、最近一番のお気に入りです。
いきさつはよくわからないのですが、とにかく死んだ妻が生き返ったそうです。
だけどそれは中身だけで、外見はオッサン。
いとしい多恵子に抱きつきたくてもその都度萎える夫の吾郎。
オッサン・ビジュアルの妻を前に、一瞬で愛を失う微妙な男心。
その悲哀ぶりとセリフまわしがメチャクチャおもしろいんですよ、このマンガ。

週刊スピリッツ連載中「パパがも一度恋をした」(阿部潤)
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今週号に至ってはテニス・サークルで熱烈アタックされる多恵子。
オッサンに見えるはずの多恵子が、素敵コーチには実物(美人妻)に見えるという不思議。
動揺する吾郎。
そこでどちらが夫にふさわしいか勝負を挑むのですが、その戦いが実にくだらない(笑)。
これ、実写化したら笑えるかな?
マンガならではのギャグで妙にハマりますよ(笑)。
posted by 亀有夕子 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

紫門ふみ「はんなり!」Part3

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ゆみちゃん、大胆な行動にでました。
「修治さん、あたしを抱いてください」
弟の弦と結婚してくれと頼む修治に、ゆみが出した交換条件。
「おかしいで、ゆみちゃん、いつものあんたとちゃう!!」
こうなったら、修治がどんなに拒んだところで一歩も譲りません。
守りたいと思っていた女の子が突然いっぱしの女になると、百戦錬磨のプレイボーイもタジタジです。

松本隆さんが書き下ろした映画「Wの悲劇」主題歌(薬師丸ひろ子主演)「WOMAN」みたいです。



「それまで少女っぽかった子が急に女に変貌するときってあるじゃない。
 そんな女性観を詞にしたかったんだ。」
(松本隆「風街図鑑」より)

修治がどんなに「その気はない」とウソぶいても、惚れた女を素っ気なく抱けるはずがありません。
ゆみは愛されてることに気づいたはず。

残念なのは、ゆみの手を振りほどこうとするシーン。
あれ、連続アップじゃなくて2コマ目は全体像にしたほうが絵的にわかりやすかったんじゃないかなぁ。

スペリオールは不自然なコマ割りのマンガをよく見受けます。
左向きの顔が連続するのは「ダクションマン」(猪熊しのぶ)とか、「総理の椅子」(国友やすゆき)とか。
左向きの顔は描きやすいけど、そればかり続くと不自然なコマ割りになって読者は違和感持つんですよね。
作者にとって描きやすいマンガと、読者にとって読みやすいマンガは違うってことかしら。


posted by 亀有夕子 at 12:12| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月24日

紫門ふみ「はんなり!」Part2

今週のビックコミック「スペリオール」、紫門ふみの「はんなり!」から。
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読んでみた感想は・・・厳しい展開になりましたね。

古九谷をもらえるならこのまま失踪しようと考えていた修治。
修治に人としての美があることを認めた上で古九谷を割る兵衛。

「美は物のカタチではない。割れても残る。」

思いきった兵衛の行為から修治は何を悟るのか。
修治の役目は残された家族を守ること。

弟の弦は見習いにきたゆみに惚れている。
兄の修治を慕い、技術だけでなく審美眼まで忠実にマスターするゆみ。
弟子として、女として、ゆみに特別な感情を抱く修治。

その価値を知りながら割ってしまった古九谷のように。
修治も同様の選択を迫られる。
愛はカタチじゃない
ゆみの気持ちを知りながら、弦と結婚してくれと頼む修治。
身勝手な放浪人を装って、独り身がいいと嘘ぶって。
修治もツライけど、これゆみちゃんツライわ。
壊れた二人の関係から、はたして愛は残るのか。

表面だけでとらえたら、修治はゆみに何の感情も持っていないことになります。
そんなメッセージをまともに受けたゆみは号泣するしかありません。
恋愛感情はエゴを含んだナマモノだから、師弟関係とごっちゃにすると、本気で育てたい逸材が台無しになることもあります。
傑作「考える人」を創ったロダンと愛人カミーユみたいに。
逸材かどうかわかりませんが、記憶に新しいところでは小室哲哉と華原朋美も同様でしょう。

師として尊敬され男性として好意を持たれたら、誰だって悪い気はしません。
弟子から刺激を受けて生まれる作品もあるでしょう。
そんな甘美な関係が招く最悪の事態の多くは、「けじめがないこと」が原因です。
師弟関係の領域を恋愛感情で曖昧にすると、破局した際にただの失恋では済まなくなります。
愛情にはカタチがないからこそ、けじめをつけなきゃいけない。

ゆみが日夜古美術の勉強に励んでいることを知り、修治はますますストイックになります。
今までのような女性関係でつきあっちゃいけない相手。
ルーズな修治が自分の想いにけじめをつける、その行為自体がゆみに対する最高の愛情表現なんですね。
女性の心は傷つきますが、カミーユや華原朋美みたいにボロボロになることを思ったら愛されてますよ、十分。
posted by 亀有夕子 at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月19日

小川彌生「きみはペット」

きみはペット(1) (KC KISS)

きみはペット(1) (KC KISS)

  • 作者: 小川 彌生
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/12/13
  • メディア: コミック


2003年にドラマ化された小川 彌生の人気コミック「きみはペット」。
ヒロインは東大卒のキャリアウーマン。
連載当初は読者からの支持を得られるかどうか未知数だったそうです。
働く女性の共感を生んだ「きみペ」は新しい男女関係の象徴かもしれません。

主人公は(努力して)クールビューティ(になった)巌谷澄麗(イワヤ スミレ)。
ひょんないきさつからペットとして同居をはじめたモモ(合田武志)。
同じ新聞社に勤める3高の蓮實(ハスミ)先輩との奇妙な三角関係。

スミレは憧れの蓮實先輩の前で本音が言えない。
些細なことでも口に出せない。
モモの前ではプロレス技をかけたり、言いたい放題でも楽しく過ごせているのに。


これが恋愛の落とし穴。
蓮實先輩から男らしくリードされると、クールビューティのスミレはしおらしくなります。
男性のように働くスミレにとって、自分が女であることを意識させてくれる相手はいろんな意味で刺激的。
そんなふうに、異性を意識する関係でセックスが成立します。
モモとはじゃれあってばかりで、なかなか男女の関係に発展しません。

誰もが羨む完璧な彼氏・蓮實先輩の前では、スミレの女センサー≠ェ過剰に反応。
好きなのに疲れてしまう。
非の打ち所がない相手の前では、恋愛しても仕事モードが抜けないのです。
隙がなくて遊びがない関係は苦痛が伴い、つきあうことが義務感になってくるのかもしれません。

ドキドキとワクワクが恋愛なのに、義務感がつきまとったら仕事と同じ。
緊張感ばかりで楽しくありません。
ミスが許されない仕事のように、蓮實先輩の前で完璧な女を演じてしまうんでしょうね。
無難にソツなくやりすごしてしまうのです。
蓮實先輩に用意するのはレシピどおりの鯛茶漬けですが、モモに作るオムライスにはタコさんウィンナー。
無難にソツなく≠ナはなく、自然に手間隙かけてます。
女というより母性本能。
それこそモモが求めていたものでした。

4人姉妹の末っ子に生まれたモモは、女性の扱い方に慣れています。
浮気する夫を見返すために、母親から成功することを強要されたモモ。
どんなに頑張っても修復できない夫婦関係。
どんなにモテても干渉してくる彼女にウンザリ。
その点スミレは冷たいくらい干渉しません。
厳格な家庭に生まれたスミレもまた、安らぎを知らずに育っています。
お互いにはじめてのアットホームを共有しながら、無二の存在を意識していく過程が見どころ。


ドラマのモモ役は松本潤でいいとして、小雪のスミレ役は愛嬌ありすぎ。
長身のクールビューティといえば川原亜矢子かなぁ。
大人すぎてキャスティングはキビシイか。
posted by 亀有夕子 at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月27日

紫門ふみ「はんなり!」

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ビッグコミック「スペリール」連載中の紫門ふみ「はんなり!」から。

骨董屋の息子・歳多修治は目利きの天才であり、写し(贋作)の天才でもある。
その修治にコレクターの村崎兵衛が禅問答で問いかける。
兵衛の孫に古九谷を見せても猫に小判。
けれど目利きの修治に見せれば、その価値はいわずもがな。

「さて修治君、『美』は今どこにある?」
古九谷を指差す修治

「おかしいですね。
この皿にあるとしたら、さっきウチの孫はどうして『美』に気づかなかった?」
そういって古久谷をしまう兵衛

「ここには『美』はない。『美』はここにある。」修治の胸を指す。

「『美』は人間の心だ。
 きれいなものをきれいと思う、人の心だ。」


古小谷が美しいのではなく、それを美しいと思う人の心に『美』が宿る。
そこまでが前号までのあらすじ。
今週号では、金にも女にもだらしない破滅型の修治に、「美」とは何かを呼び覚まします。

「とっさの行動に人としての美しさが現われるんです。」
そしてその美しさは、人を愛する気持ちから生まれると説きます。
才能を持て余すろくでなしの修治ですが、とっさにみせる深い愛情に、女たちは情緒を感じ取り、『美』を見いだすのでしょう。

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posted by 亀有夕子 at 03:04| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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